平成8年

財部町制70周年記念論文(財部町)

入賞 優秀賞 「財部町への提言」

 

1.たからもののまち宣言

過日、永六輔氏の講演の中で「丸い地球の上では、自分の住むまちこそが地球の中心であり、たからもののありかである。」ということばに強い感銘を受けた。財部町は、本年記念すべき町制施行70周年を迎えるが、その名に「たから」を冠するように将来の発展ポテンシャルにあふれたまちであると思う。私は、川内地方から財部町の輝かしい未来を想いつつ「たからもののまち宣言」をされることを、まず提言したい。

 

2.たからもの・その1「財・MONO」

 全国三千二百を超える地方自治体の中で『ただ一つ(MONO〜英語でONEと同義)』「財」の名を冠する財部にとって、まちの名前そのものが「たからもの」であり、これから徹底したCI(City Identity)運動を展開されてはどうであろうか。まちのイメージキャラクターなどを全国に情報発信して、産業におけるブランド化にもつなげようとするものである。このことは、町民にとってふるさとへの愛着と誇りを生み出してくる。

 そして、PRの方法として「たからべの語部(かたりべ)」制度を設け、町内外の人を広報マンとして委嘱してはどうだろうか。東京財部会など町外在住者との情報交換にも大いに役立つに違いない。

 また、現在テレビ放送において各地の珍品を鑑定する番組が好評を博しているが、このような番組を、たからもののまち財部へ積極的に誘致されてはどうだろうか。

 

3.たからもの・その2「財物」

財部では「食財」として多くのものが生産されているが、これからは特にカボチャやいちごなどの産直ブランド化が求められている。また、農業のあり方として、有機栽培等ともからめながらグリーンツーリズムや観光農園など新たな展開も時代の要請である。

食財の中でも「蓄財」については、「かごしま黒牛」を世界に誇る日本のたからものとして大々的にセールスしたい。そのためには、これからは『マルチメディアで牛を売る。』を合言葉に、優れたメディアとシステムを先取りする必要がある。すなわち、インターネット等によって気象、飼料、市場、改良増殖技術等の情報を文字、動画、音声でリアルタイムに肥育に活用し蓄えながら、世界ネットにおける顧客開拓や商品PRを行ってはどうだろうか。21世紀は、マルチメディアで商品の受発注を行うオンラインショッピングの時代であり、財部の黒牛は、かごしまブランドから世界ブランドにならなければならない。

 県内一の人工林率を誇る財部の山は、「木財」の宝庫、「たからの山」である。このこともインターネットのホームページに掲載し、全国レベルで低コスト木造住宅等のPRを行いながら、財部木財の消費拡大を図ってはどうだろうか。

 財部の食財、蓄財、木財が志布志港から日本の全国各地、あるいは東南アジア、アメリカにまで超高速船TSLによって運ばれる日がやがてくる。そのときこそ、TSLはまさに「たから船」になるのである。

 

4.たからもの・その3「財者」

 財部の財者、豊かな「人財」をまちの振興に活かすため「財部ふるさと公社」の設立を提案したい。この公社は第3セクター方式で、財物を活かした産業の融合化によって、体験農園やふれあい動物園、木造の特産品販売店・ステーキハウスなどを多角的に運営する。

 人財としては、地域の若者はじめ、高齢者は農園施設の管理等にシルバー人財の農業ヘルパーとして、女性は老人介護等の福祉家政ヘルパーとして公社運営をサポートする。すなわち、町民総参加による福祉家政の支援機能を持った産業公社を目指すものである。

 そして少子化が進む現代、特に子どもは一番の財者である。私は前述の公社設立と併せて「カウボーイ・スカウト」制の発足を提案したい。これは、少年農援隊というべきもので、グループボランティアで黒牛の世話を行い、愛郷心も培うものである。また、日本で唯一の「宝島」(十島村)と少年探検隊の相互交流を行ってはどうだろうか。名づけて「財宝交流」、CIの観点からもインパクトがある。また、人財確保に向けてこれからは町職員の募集や定住促進事業

のPRもインターネットを活用してはどうだろうか。

 

5.たからもののまち実現

 私は、これまで「たからもののまち宣言」人財確保に向けてこれからは町職員の募集や定住促進事業の具現化に向けていくいくつかの提言をしてきた。

 そして、『財者が財物を求めて旅に出たとしても、丸い地球の上ではやはり緑ときらめきの里たからべ″にたどりつく。』そういうまちへ発展してもらいたいと、心から願うものである。